FLYING APARTMENT

癒しを感じる、アートな生活雑貨

―佐藤さんの経歴についてお聞かせください。

「美術大学で工芸工業デザインを学んだあと、広告代理店にアートディレクターとして就職をしました。10年以上勤めたのち、北欧の家具メーカーに転職しました。家具メーカーでは家具だけでなく、生活にまつわる様々な雑貨を製作していました。仕事をしていく中で、日本各地の工場や良い素材の産地などを知る機会が多くあって、そこで得たノウハウや繋がりが今の仕事に活きています。家具メーカーには6年ほど勤めたのですが、自分のブランドをつくりたいと思い、独立しました」

―独立された後は、現在のブランドをすぐに立ち上げられたのでしょうか?

「最初は、他社のプライベート商品の開発や、商社と一緒に商品開発をしていました。転機となったのは、リニューアルした渋谷LOFTの最上階に『アート&デザイン』のフロアを作る、という企画を任せていただいたことです。3年間ほど各国の若手アーティストを集めて商品開発と販売をしていました。それが、場所を変えて今も続いている『FLYING ART APARTMENT』というもので、現在のブランドの先駆けとなる動きでした
この企画を進めていく中で、大量生産の工業製品を作っていくのは自分には合わない、とは言え、一品もののアート作品だけを扱うと様々な方に届けることができない、と感じるようになりました。『面白いけど、届かない』というジレンマから、アートの要素がある小ロットの製品を作って、多くの人を癒すことができると良いな、という考えが芽生えました。他の人がやらないようなことをあえてやる、その想いを形にしたのが、今のブランドである『FLYING APARTMENT』です」

―アートの感覚で量産する、という考えが斬新ですね。ブランド名に込めた想いを教えていただけますか。

「『あなたの居場所を作るモノを作り続けます。国境さえも越えて、どこへでも飛んで届けに行きます!』です。衣食住の先に遊び心があって、見て癒される、それでいて使い心地も最高のモノを作ることを目指しています。それを、どこにでも飛んで行ってあなたに届けます、という意味で名づけました」

―「どこにでも飛んで届けます」という意味で「FLYING」なんですね。

「そうですね。それと、『FLYING』には『飛ぶ』という意味のほかに『一歩先を行く』という意味も込めています。『世の中のトレンドを一歩リードしたモノをお届けしたい』というような、そんなワクワク感や楽しめる感覚を含んだネーミングにしました」

―とても素晴らしいブランド名だと思います。ブランドを始められて、特に苦労されたことはありますか?

「『Color trip towel』という商品があるのですが、これを完成させるのに非常に時間と労力を要しました。タオルは通常、初めに白いタオルを作り、一気に染めて色を出すのですが、この商品は先染めの4色の糸を撚り合わせて織って作っています。肝心の糸染めのところから中々イメージ通りにならなくて、織ったタオルをほどいては糸を染め直してまた織る、という工程を何度も工場とやり取りし、検証を繰り返しました。そうやって、最終的にイメージ通りの商品になるまで2年ほどかかりました」

―2年ですか! とても商品の色合いにこだわられていると思うのですが、カラーバリエーションのネーミングにもオリジナリティを感じました。(花、海、雲、貝殻、炭など)

「アートの感覚を商品に取り入れたかったので、『絵を描くように、かつて旅したお気に入りの風景をタオルに織り込みたい』という思いがありました。例えば森だったら、森の中の『緑』って色々あるじゃないですか? 濃い色もあったり薄い色もあったり。海だったら深い青だったり、光が反射して輝く青だったり、そういう色を抽出して糸に染めています。もともと、『自然のイメージをタオルにしたい』と思いながら作っていたので、ネーミングもその通りにしています」

―実際に商品を使われたお客様からの反応はいかがでしょうか?

「使い心地が本当に良いと言っていただけます。タオルの良し悪しは『糸が良いかどうかで決まる』と言っても過言ではないのですが、このタオルは糸の品質や太さ、パイルの長さまで考え抜いて作っています。洗濯した後も糸が空気を含んでパイルが立ち、フワフワになるので長くご愛用いただけています。それと、使っていてすごく癒される、という声もよくお聞きします。タオルの持つ深い色合いにほっとしたり、知らず知らずのうちに安らぎを感じていただいているのだろうなと思います」

―他の商品についても少し教えていただけますか?

「はい。エプロンも作っているのですが、color trip towelの片面のパイルをシャーリングした生地で作っています。特徴としては首に掛ける紐をなくしています。代わりに、胸の部分にポリエステルのテープを付けることで、落ちてこない設計になっています。私が働く主婦ということもあって、仕事から帰ってきてすぐに料理をしなけばれいけないというときに、紐がとても邪魔に感じてしまって。そういう煩わしさが一切ないエプロンを作りたいと思い、形にしました。肩も凝りません。『時短も癒しの一つ』と私はよく言うのですが、ストレスがないことで頑張っている方にリラックスして欲しいなと感じています」

―首紐のないエプロン、新しいです!

「次にバブーシュ(ルームシューズ)ですが、これもcolor trip towelの片面のパイルをシャーリングした生地で作っています。だから足を入れるとふわふわで気持ちが良いです。また、ストレスがないことを意識しているので、汚れたらすぐに家で洗えて清潔さを保てて安心です。特に履き心地を研究していて、試作段階で底材に低反発ウレタンを入れてみたら歩きにくかったので、あえて固めのウレタンにすることで、踏み心地が良く、足音もパタパタせずに快適に過ごしていただけるように工夫して作っています」

―どの商品にも、使われる方の癒しやストレスがかからないことを考えていらっしゃるんですね。最後に、今後の展望についてお聞かせください。

「日本は今、それほど景気が良くない中で、みんな前を向こうと頑張っていると思います。その頑張っている方々に商品を使ってもらって、『もうちょっと頑張ってみよう』と思ってもらいたい。そして、心がほっとする癒しの時間を届けられるようにしたいと思っています。そのためにも、これからも良質な商品を丁寧に作っていきたいと思っています」

(撮影場所 co-lab墨田亀沢:re-printing)

Profile
Brand

代表、兼デザイナーの佐藤誉子が、日本の工場とこだわり抜いたアイテムを製作する生活雑貨ブランド。アートの感覚を大切にしながら、生活にわくわく感のある作品をプロデュースしている。品質の良い作りと色彩豊かな色合いは、手にする人にストレスのない使い心地とほっとする癒しを感じさせる。

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