NOAH+NORAH

自分の手で育てる、ライフスタイルにマッチする製品

―これまでの経歴を教えてもらえますか?

「もともとは東京でフリーランスのファッション・スタイリストとして仕事をしていました。広告やカタログ、ミュージックビデオなど、様々なジャンルの媒体を経験してきたのですが、ファッション自体をもう一度見直したいという思いと、かねてからイギリスの音楽やアートが好きだったこともあり、ロンドンに渡りました。現地では「ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション※」という大学に通いながら、4年ほどスタイリストとして活動をしていました。アート雑誌やミュージシャンのスタイリングなどを手掛けて経験を積んだ後、日本に帰国し、2018年の1月に自身のブランドを立ち上げました」

※別名「ロンドン芸術大学」は、欧州最大のアートとデザインの大学。多様なアート&デザインプログラムが用意されており、多くの著名なアーティストやデザイナーを送り出している。

―日本に帰国した後、スタイリストとしてではなく、新たにブランドを立ち上げようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

「一番大きかったのは、ロンドンでの生活の影響ですね。ロンドンは世界的に見ても、最新カルチャーの発信地であったり、先進的な街だと思うのですが、自然と共存しながら成立している、という感覚がありました。日本であれば、『都市』と『自然』はどちらかと言えば対極的に扱われることが多いと思うのですが、ヨーロッパでは二つが概念として寄り添って存在していて、実際にその考えがベースとなって街づくりがされています。僕は秋田県の出身なのですが、自然からインスパイアされることも感性としてとても大事にしています。従来のファッションアイテムは特にアーバンなスタイルに向けてのみデザインされている物が多くあると感じます。そうではなく、都市やローカルでもマッチするような、ニュートラルでミニマルなデザインのブランドの構想を渡英中ずっと持っていて、帰国のタイミングで行動に移そうと決意しました」

―これまでファッションの分野でご活躍されていましたが、ブランドで展開されているラインナップはバッグやエプロンですね。そのプロダクトのチョイスには意図があったのでしょうか?

「イギリスから日本に帰国したときに、『変わったな』と感じるものがありました。それは、『ライフスタイル』というテーマが広く浸透していたということです。そして、そのテーマ自体に、僕自身共感するものがありました。これまでは、服であればアパレルショップ、インテリアであればインテリアショップというように、セパレイトで専門的な売り方をされていたと思うのですが、ひとつのテーマのもとで全般的に提案をして、お客様がイメージできるというスタイルが魅力的に映りました。ですので、僕も自分が掲げるテーマに沿った商品ラインアップを現在は製作しています」

―なるほど、確かに「ライフスタイル」というテーマは近年になってよく耳にするキーワードですね。

「はい。さらに、既存のライフスタイルで打ち出されているローカルメイドな製品やコンセプトに共感はしつつ、トレンドに左右されないどこかひねりの効いたフレッシュなデザインを付加できれば、と感じていました。その部分おいては、スタイリスト時代に培ってきたデザイン性やバランス感覚を生かして、新しい価値を提案していきたいと思っています」

―「NOAH+NORAH」というブランド名に込めた思いやコンセプトはあるのでしょうか?

「こちらも『ライフスタイル』というテーマにつながるのですが、『NOAH(ノア)とNORAH(ノラ)が使う生活の道具』、というブランドコンセプトがあります。NOAH(ノア)が男性で、NORAH(ノラ)が女性です。二人は僕が考えた架空の人物ですが、イメージとして北欧のような、少し緯度の高い場所に一緒に暮らしていて、自給自足のようなスローライフを送っています。例えば、カップルで同じモノの色違いを持って一緒に使っていたりする光景が日常でもあると思うのですが、二人も同じようにアイテムを共有して使ったりします。それが、NOAH+NORAHのプロダクトデザインとして、ユニセックスなものになっている理由でもあります」

―世界観が面白いですね! 物語が広がっていくようで、幻想的でもあり、どこか優しく懐かしい感覚もあります。音にした時の語感も良いですね。

「ありがとうございます。僕もこの語感が気に入っていて、スペルも『NOAH』と『NORAH』では『R』をひとつ加えるだけであとは同じなので、視覚的なバランスもいいんですよね。そして、ブランドの中心となる世界観があると、新しいプロダクトや企画を考える時にもイメージがしやすいという利点もあります。今はまだないのですが、今後NOAH(ノア)とNORAH(ノラ)をイラストやルックブックにして、ビジュアルとしても訴求していくことも計画しています」

―ぜひそのイラストも今後見てみたいです。ブランド製品の第一号はこちらのバッグだと伺いましたが、帆布を使われていますね。素材はなぜ帆布にされたのでしょうか?

「ずっと使い続けていける普遍的な素材でプロダクトを作りたいという思いがあって、人の生活にもすっと溶け込んでいけるような存在感、定番なんだけどアクセントがつけられるもの、というところで帆布にたどりつきました。帆布でもいろいろな種類があって、これは織物産地としても有名な滋賀の高島帆布を使っているのですが、歴史のある素材で、かつ加工のバリエーションが豊富なので、生地からアイデアを浮かべて商品に反映したりもしました」

―帆布は軽くて丈夫ですし、ずっと使い続けるという点で見ても最適ですね。そのほかの部分にもこだわりはあるでしょうか。

「レザー部分は化学薬品を一切使っていない、環境に配慮したヌメ革を使っています。リヴェット(バッグの金具部品)は、コッパーリヴェットという銅製のものになるのですが、日本ではあまり流通していないものを独自のルートで仕入れています。それを、職人さんがすべて手打ちでひとつひとつ作っています。さらにメッキを施していない真鍮無垢の金具を使っています。バッグの他にはエプロンも作っていますが、オーバーサイズのスタイリングにもフィットするよう幅を少しシェイプしたつくりにしています」

―シンプルな中にもたくさんのアイデアと細部までの工夫が施されていますね。

「製品ひとつひとつにストーリーがあります。それと、素材ではないのですが、製品を作る際にあえて余白を残したデザインにしています。ご使用いただく中でいろいろな箇所に変化が起こると思うのですが、その変化を経て初めて完成する、という概念で作っているからです」

―余白の美、とアート作品で使われる言葉でもありますが、まさにアートの要素を取り入れた製品ですね。

「育てる製品、という言葉を僕はよく使うのですが、お客様の手で、ご自身のライフスタイルに寄り添うパートナーに育てていただけたらと思っています」

―手放すことのできない愛着のわくパートナーになりそうです。最後に、NOAH+NORAHの製品を手にされる皆様にメッセージをお願いします。

「日本だけでなく世界的に見ても、人々の関心はモノからコトに向いているように感じます。NOAH+NORAHも、ただ製品を売るだけではなくて、モノを通じていろいろな体験や体感を得てもらえるようなブランドにしたいと思っています。製品を育てることも、ひとつの体験だと思っています。心が揺らいだり、ときめいたりする製品作りを心掛けていますので、日々の生活で気兼ねなく使っていただけると幸せです」

Profile
Brand

スタイリスト「マサキ シュン」がデザインするライフスタイルをテーマとした生活製品ブランド。自身が生み出したカップル、「NOAH(ノア)」と「NORAH(ノラ)」が使う生活の道具、がコンセプトとなり、製品はどれもユニセックスなデザインを取り入れている。こだわりのある良質な国産素材、熟練の製造に加え、あえて余白を残すデザイン性で、長く親しみを持って使える製品作りを提唱している。

Reccomend

  • 'Ark' 2Way ショルダーバッグ (Natural)
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  • リネン エプロン トップス (Salmon-Beige)
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  • 'YODDY' エディターズトートバッグ (Black)
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