hyakushiki

気軽に伝統を楽しめる彩りのテーブルウェア

漆器(しっき)とは、漆(うるし)を塗り重ねて作る工芸品のことだ。漆を表面に塗ることで、器は格段に長持ちする。その漆器、職人の間では言わずと知れた常識がある。それが「ガラスと漆は相性が悪い」だ。

しかし「丸嘉小坂(まるよしこさか)漆器店」はその常識を覆し、見事ガラスと漆を組み合わせた「漆ガラス」の技術を確立させた。その技法を発展させ、リーズナブルにデザイン性の高いテーブルウェアを送り出しているのが、同店から派生した『hyakushiki(ヒャクシキ)』。ブランド名は、かつて万華鏡が“百色眼鏡”と呼ばれたことに由来しており、色鮮やかな商品を見れば、その名も納得できよう。

「漆器と聞くと、朱色や黒のイメージが一般的ですが、hyakushikiではさまざまカラーバリエーションの漆器を用意しています。そこには漆器の持つ敷居の高さを払拭したいという思いがあるからです。デザイン的にも、若い方たちが気軽に漆器を楽しんでもらえるように意識しています」

そう語るのは、hyakushikiの塗師(ぬし)・小坂智恵さん。塗師と聞くとわかりづらいが、ガラスに色のある漆を塗っていくのが彼女の仕事だ。つまり、hyakushikiの食器はすべて手作り。だからひとつひとつ同じように見えて、実はどれも世界にひとつしかない一品なのだ。

「手作業にこだわるのは、うちが職人工房だからです。職人として、その技術力を活かしたモノ作りをしていきたい、という思いが私たちにはあるんです」

hyakushikiを手がける「丸嘉小坂漆器店」が創業したのは1945年のこと。同店のある長野県木曽平沢は、町全体が「漆器の町」になっている。そこで店を立ち上げたのが、小坂智恵さんのご主人(3代目)の祖父。その後、2代目である父の代に、「呂色(ろいろ)塗り」という鏡面仕上げの技法を使った高価な家具類の製作へと乗り出した。
表面や塗装面を、反射して物が映る鏡のように仕上げること。

「当時は1980年代のバブル真っ只中。高級旅館などから家具類の需要が非常に多くあり、この小さな町に、毎日のように大型トラックが何台も来て、商品を運んでいたそうです」

しかしそれも好景気の恩恵。バブルが弾ける頃には、「このままではいけない。何か新しいことを始めよう」という気運が高まった。そこでたどり着いたのが「ガラスに漆を塗る」ことだった。

以前、長野県の伝統工芸展に、ガラスに漆で絵を描いた作品を出展したところ、「県知事賞」を受賞したことがあった。以来、「商品化できれば」という思いは抱え続けていた。しかし前述した通り、「ガラスと漆は相性が悪い」。そこにあえて、丸嘉小坂漆器店はトライすることにしたのだ。

「ですが、ガラスにただ塗るだけでは、数ヶ月で漆が剥がれてしまい、商品化できる状態ではありませんでした」

そこで長野県が運営する「長野県工業技術総合センター」に相談を持ち掛け、共同で技術開発することに。2年の歳月を費やし、見事に課題を克服。ようやくその技術は確立された。

こうして、これまでの常識を覆した「漆ガラス」が誕生した。独自の技術を用いた“ここでしか作れない”オリジナリティあふれる商品は、1994年に販売を開始すると、県内メディアにも多く取り上げられ、大きな注目を集めた。

そして2013年。同じく「漆ガラス」を使ったhyakushikiを立ち上げたのは、全国、さらには世界に「漆ガラス」の魅力を発信したいと考えたからだ。

「うちの工房では、伝統を受け継いでいくというよりも、伝統技術を活かして時代に沿ったモノ作りをすることを大切にしています。伝統にとらわれすぎず、いいモノになるのであれば、新しいものを取り入れていく。それがうちのスタンスであり、モットーです。だから毎年、新しい商品を作っていますし、自由度の高いhyakushikiでは、どんどんチャレンジをしていきたいと思っています」

その思いは具現化されると、海外からもオーダーが入った。

「少し前に、東京で行なわれたレストランの集会があったんです。そこには世界の有名レストランのシェフやオーナーが多数集まっていました。そこでhyakushikiを紹介したところ、オランダのレストランから大量に注文が入ったんです」

外国人の目から見ても美しい和のテーブルウェア。伝統工芸品ではあるが、「気負わず気軽に使ってほしい」と小坂さんは語る。

「本来、漆器は漆を塗っているため、金属との相性が悪いんです。ですがhyakushikiは、ガラスの表面だけに漆を塗っていますから、金属のフォークやスプーンも利用可能です。またデザイン的にも、和食だけでなく、中華や洋食との相性も抜群です。ぜひ毎日、気軽に使ってほしいですね」

同ブランドのテーブルウェアは、手に取りやすい伝統だ。しかも、ひとつとして同じものはないと知れば、自然と愛着も湧くだろう。そして実際に使ってみれば、そこには“たしかな仕事”を感じることができる。だからhyakushikiは、毎日の食卓はもちろん、大切なゲストを招いたおもてなしの席においても、テーブルだけでなく、気持ちまで華やかに彩ってくれるのだ。

Profile
Brand

1945年創業の漆器店「丸嘉小坂漆器店」から2013年に誕生したテーブルウェアブランド『hyakushiki』。相性の悪いと言われている漆とガラスを見事に融合させた同店の革新的な技術力を、デザイン部分でも活かすことで、かつて“百色眼鏡”と呼ばれた万華鏡のように色鮮やかで使いやすいテーブルウェアを生み出している。その評価は海外でも高く、リーズナブルに和を楽しめる一品が揃う。

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