m+(エムピウ)

ときを重ねることで生まれる美しさ

m+(エムピウ)

m+と書いて、「エムピウ」と読む。

「mはわたし(村上)の頭文字、ピウはイタリア語で、プラスを意味しています。“作り手+誰か”によってモノは完成します。ひとりではモノ作りはできません。商品作りに協力してくれる方、さらにお客さんがいなくては成立しません。m+には、お客さんと一緒にブランドを育てていきたい、という願いも込められています」

ひとりでは作れない、と謙虚に話す村上雄一郎さんだが、実はひとりでも商品を完成させるだけの技術は有している。

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「元々は設計事務所に務めながら、趣味で革製品を作っていたんです。その情熱を抑えきれず、趣味だったはずのものが現在では仕事になりました。しっかりとした技術を学ぶために仕事を休業してイタリアに渡り、州立の学校で革の選び方から縫製まで、モノ作りをイチから学びました。学校を出たあとは大手ブランドのサンプル職人として、イタリアで働いていた時期もあります」

村上さんの作るサンプルはレベルが高く、他の会社からも引き抜きの話が来たくらいだ。しかしその話も断って、村上さんは将来的に自分のブランドを立ち上げるために日本に帰ることを決意する。

そして2001年、元いた設計事務所に在籍しながら、M+を立ち上げた。だが、法人化したのは2008年。実に7年の月日を要している。それはつまり、今日までの道のりが決して平坦ではなかったことを示している。

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「モノを作れば売れるわけではないですから、知ってもらうまでには時間がかかりました。商品も改良し続けました。そんなあるとき、デパートの松屋銀座の催事に出品したところ、新聞で取り上げられ、そこから少しずつ注文が入るようになったんです」

新聞をきっかけに生まれた需要は、決して一過性のものでは終わらなかった。ブランドを知り、一度商品を購入したユーザーは、そのままm+のファンになる方が多いそうだ。

「革製品の魅力は、使えば使うほど味わいが出てくるところです。わたし自身、その魅力に魅了され、この仕事を続けています。m+では植物タンニンでなめした天然皮革を使用することで、経年変化(エイジング)を気軽に楽しめる仕上げを施しています」

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高級ブランドの革製品は、変化しないことを売りにしているところもあるが、m+は真逆だ。

「人もモノも時間を重ねることで生まれる美しさがあります。革製品のエイジングは、持つ人によってさまざまです。なぜなら、その人のライフスタイルが、そのまま商品に反映されるからです」

生き方が商品に出る。そこに決まったルールはない。

「男性でも女性でも、日頃からガンガン使って、商品の変化を楽しんで欲しいですね」

定番商品は他でも買える、という理由で、つねに商品に“プラス”のアイデアを盛り込んでいる村上さん。そのアイデアを活かすために、デザインはどれもシンプルになっている。

商品を手に取れば、村上さんが注いだ情熱が革を通じて手に伝わってくるようだ。しかも使い続ければ、自分の歴史が商品にも刻まれると思うと、自然と気持ちも高揚してくる。ある意味で、購入したm+の商品は未完とも言えるだろう。なぜなら、それを本当の意味で完成させるのは、自分自身なのだから。

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m+(エムピウ)

2001年に誕生した、村上雄一郎の革製品ブランド m+(エムピウ)。自然が育む天然素材を利用した商品は、どれもシンプルでありながら、高い機能性を誇る。また、素材選びから縫製まで、アイデアとこだわりが細部にまで詰まった商品は、使うほどに味が出て、エイジングを存分に楽しむことができる。

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