Coquette

気持ちも華やぐ、女性に寄り添うバッグ

フランスでは、粋で洗練された大人の女性のことを「Coquette(コケット)な女性」と呼ぶ。ブランド名は、そこから来ている。

「当初からずっと、『女性のためのバッグ』を私は作り続けています。デザインは大人の女性も持てる“かわいさ”のあるものを、また女性が使いやすいよう、軽さと持ち心地も、こだわっています」

『Coquette』の代表であり、デザイナーの林きょうこさんは、同社のバッグの魅力をそう語る。そこには、「バッグは人に寄り添うもの」という林さんの思いが込められている。

「主役は人。バッグはあくまでアクセントであり、脇役です。主役(使う人)を、いかに美しく見せられるかが重要なんです。だから、私が作るバッグは香水と同じく、身に付けることで気持ちが華やぐ、女性の装いの一部になれればと思っているんです」

バッグだけでなく、現在では多くの革製品も手掛けている『Coquette』。過去には自身がOLを経験していることも、働く女性の目線でモノを捉え、使いやすさを考えられる武器になっている。

「元々は、大手化粧品メーカーに勤務していました。そこで女性のライフスタイルに関わる仕事を日々していたのですが、考えてみれば働き始めてから今日まで、私はいつも女性の生活の事を考えていましたね」

大手企業に勤め、まさに“コケットな女性”として、順調にキャリアを重ねていたある日、衝動的にミシンを購入し、布製のオリジナルバッグ作りを開始。自己満足の趣味で始めたはずのバッグは、意外な場所で評価を受けた。

「仕事でニューヨークを訪れたとき、道行く人から「そのバッグはどこで売っているの?」と聞かれたんです。もちろん自作ですから、どこにも売っていません(笑)」

ニューヨーカーの目を引いたことは、自信につながった。さらに出張中、ニューヨークを代表するセレクトショップ「STEVEN ALAN(スティーブン アラン)」に売り込んでみないかと誘われたことも、林さんの心を高揚させた。

「その後、知り合いから声が掛かり、代官山にあるセレクトショップにバッグを置かせてもらえることになったんです。すると私の作ったバッグは、順調に売れていきました」

これならバッグデザイナーとして食べていけるかもしれない。そう思った。だが、現実は甘くなかった。腕試しのつもりでイベントに出展してみるも、セレクトショップでは順調に売れていたはずのバッグが、会場では誰からも見向きもされなかった。

「つまり、お店で私の商品が売れていたのは、お店の力であって、バッグの力ではなかったんです。よく見れば、クオリティと価格のバランスもまるで合っていませんでした。それを知った瞬間、頭の中が悔しさでいっぱいになりました」

しかしその思いが原動力となり、林さんは会社を辞め、バッグデザイナーとして歩み始めることを決意する。

「ファッションの勉強をするために専門学校に通い、合間にカバンの作り方をイチから教わろうと教室にも通いました。そこで出会った先生が革専門の方で、そこからは革バッグにシフトしました」

鞄作りを学ぶ中で、ひとりですべてを製作するよりも、腕の立つ職人と連携した方が、より質の高いバッグを製作できることを感じた。そのため、現在では『Coquette』のバッグは、彼らなしには語れない存在になった。

「Coquetteのバッグの美しさは、デザイナーの私ひとりで作れるものではありません。職人さんたちの繊細でたしかな技術があって、始めて完成されるものなんです」

実際に持てば、軽さと同時に感じるその丈夫さに驚かされる。当然だ。そこには世界に誇る、ジャパンクオリティがたしかに息づいているのだから。

Profile
Brand

女性のためのバッグを作り続けるCoquette(コケット)。デザイナーの林きょうこが生み出すプロダクトは、どれも女性的なデザインでありながら、高い機能性を誇るものばかり。また、日本製であることにこだわりを持ち、国内の職人と協力・連携することで、繊細で温かみのある、質の高い商品を製作し続けている。

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